プロローグ:幼馴染の決断
2026年6月13日、私の幼馴染は、長年勤めた会社に別れを告げ、FXトレーダーとして生きる道を選びました。40代半ばを迎え、社会的な立場を確立していた彼にとって、それは決して簡単な決断ではありませんでした。仕事自体は嫌いではなかったと語る彼の心には、職場の人間関係が深く影を落としていました。そのストレスは、いつしか彼の体を蝕み、過食症、そして糖尿病へと彼を追い詰めていきました。病院のベッドで、医師から告げられた「このままでは命に関わる」という言葉は、彼に大きな衝撃を与え、人生の岐路に立たせたのです。
「自分には甘えや弱さがあるのかもしれない」と彼は言いました。しかし、心身が悲鳴を上げている以上、その場に留まることはできませんでした。親も高齢になり、いつ何時、お金が必要になるかわからない状況。収入の途絶、社会的な厳しさ、そして老いていく親への不安。尽きることのない不安を抱えながらも、彼は「今は自分の体を大切にする時だ」と、自らに言い聞かせたのです。
共に歩む道
トレーダーとして結果を出す。その決意は固いものでした。しかし、私の隣でFXの世界を見てきた彼は、その道のりの険しさを誰よりも知っていました。「今日明日で勝てる世界じゃない。少し勉強したくらいで通用する甘い世界でもない。今のままだと、ただただ無謀な挑戦となり、無駄に散ってしまう可能性が高い」。そう考えた彼は私に「共に相場と向き合ってほしい」と話してくれました。
彼に残された時間は約1年。手元には10万円のトレード資金と、1年分の生活費。もしこの1年で、FXで生活できるだけの収入を得られなければ、彼は新たな職を探さなければなりません。現状、10万円の資金で、無理なレバレッジをかけずに、ドル円で「1日10pips」を「20日間」積み重ねることができたとしても利益は約2万円です。専業トレーダーとして生きていくには、あまりにも厳しい数字です。つまり、技術の習得だけでなく、トレード資金を増やすための時間も必要になります。座学を軽視しているわけではありません。しかし、彼に残された時間を考えると、実践の中で相場を学びながら、少しずつでもトレード資金を増やしていく道が最善であると考えました。
私たちは、これから毎晩21時以降、リモートでPC画面を共有し、通話をしながら共にトレードをすることになります。監視通貨はドル円のみ。ダウ理論を軸としたスキャルピングトレードです。最初は私と同じチャートを見ながら、同じ視点で相場を観察するところから始めることにしました。相場のどこを見ているのか。なぜその場所を重要だと考えるのか。なぜ待つのか。なぜ見送るのか。そうした考え方を共有しながら、少しずつ知識と技術を積み重ねていきます。私は自分のトレードを真似してもらおうとは考えていません。目指すのは、彼自身が相場を分析し、自分で判断し、自分の力で生きていけるトレーダーになることです。それが彼の目標であり、私たち二人の共通の願いとなりました。
私にとっても、これは新たな挑戦です。彼と知識や技術を共有することで、私自身の理解も深まり、頭の中が整理され、新たな発見が得られると思っています。共に分析し、共にトレードし、共に学ぶ。この道のりが、私たち二人をどのようなトレーダーへと成長させていくのか。そして、その先にどんな未来が待っているのか。期待は膨らむばかりです。
幸先の良い船出
初日となった6月16日、この日、朝から私たちは幼馴染の自宅で、FXとの向き合い方について語り合っていました。そんな中、偶然にも日本銀行の政策金利発表があり、ドル円が動く場面に遭遇しました。そのチャンスを逃さず、彼は優位性があり、再現性のあるトレードで、10pipsを獲得することができました。幸先の良いスタートを切れたことに、素直に喜びを感じています。
これから、この物語には、幼馴染との日々のやり取りが綴られていきます。「トレーダーとしての考え方」「相場との向き合い方」「実践で通用する手法」。それらが、どのような過程を経て形作られていくのか。この物語が、いつか誰かの希望となれば幸いです。私たちの挑戦は、今、始まりました。


コメント